完璧な人はいないけど周りが完璧な人を作り上げてしまう恐怖

僕の小学校で出会った友人は勉強もスポーツもできた。中学校にあがっても何をやらせても上手くこなす。部活でも優秀な成績を残すし、先生からも信頼されていた。さらにプライベートではゲームも強くてこいつは一体何者だ?と思っていた。

 

彼は地元の最も難易度の高い高校へ入学し有名大学へ進学し、絵に描いたようなエリート人生を歩んでいる。彼のことを知ってる人は今でも完璧だと称えるし、僕も憧れるときがある。

 

そんな彼とは学校が別々になっても社会人になっても年に数回会うほどの関係が続いている。お互い大人になって当時の思い出話しをしていたとき、彼には嫌いな食べ物がないという話になった。確かに給食で残したり人にあげたりしてるところを見たことがなかった。

 

しかし、彼は「紅茶味のデザート」が大嫌いだったと言った。

 意外なものが嫌いだったことに驚いたが、もっと衝撃的なのがその紅茶味のデザートを口に入れたら水道場まで行き、水で無理やり飲み込んでいたことだ。

 

完璧と言われた彼のそんな姿は見たことがない。おそらく平然を装って水道場まで行っていたのだろう。

 

その話を聞いて彼は当時、自分の弱いところを見せれなかったのでは?と思った。勉強もスポーツもなんでもできて周りから完璧と言われ続けた結果、ついに嫌いな食べ物を素直に嫌いとも言えなくなってしまった。

 

完璧な人間はいない。しかし周りの人間が彼を完璧であるようにしてしまった。当時の彼にそんなプレッシャーを与えてしまったのだと悲しい気持ちになった。

 

これは大人になってもある気がする。仕事ができるように見える人だって、周りの期待に応えようと一人でもがいているかもしれない。いつも明るく振る舞う人は、そのキャラクターゆえに悩みや弱みを言えなくなっているかもしれない。周りから素敵だと思われる人は、それを維持するのに辛い思いをしてることもあると思った。

 

今回、完璧と言われた彼が当時のかっこ悪いとこを見せてくれて嬉しくもあった。彼の中で何か重りがはずれて以前よりも生きやすくなったのかな〜と思えたから。

 

完璧だったり、いつもかっこいい人間なんていない。もしそんな風な人がいたら上手く弱みを引き出してあげたいと思った。