読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ホテルへ誘うのは難しい

男女

僕は今電車に乗っている。繁華街から自宅へ帰るために。今まで女性と二人で会っていた。彼女でもない微妙な距離感の女性であり、付き合いたいとかも思ってない。

 

夜からちょっと洒落た居酒屋で2時間程度お酒を飲み、その後彼女の希望でカラオケに向かった。

 

 

居酒屋では気持ちよく酔った感じで、だんだんオープンになってきていた。まだ帰りたくないと言われてカラオケに入ったのだ。

 

この時点で僕はゲスい期待を抱いていた。今晩はイケるかもしれない。会う前はそんなつもりなかったけど、変なスイッチが入ってしまった。

 

そうしたら彼女のことが可愛くみえてきた。とても魅力的な女性にみえてしょうがない。

 

カラオケも一通り楽しんだ後、おしゃべりタイムになった。仕事や友人のことなど色々話してくれるが、まったく頭に入ってこない。狩人になった僕はこの後の誘い方だけを考えていた。

 

そんなことをしていたら退出10分前の時間になった。ここで言うべきか。一分また一分が過ぎていく。けど僕の口からは誘いの言葉が出てこない。

 

とりあえずカラオケ屋を出て駅へ向かう。駅が近いことを恨んだ。そして3番出口が見えたとき、ようやく発した言葉は「明日は朝早いの?」だ。

 

彼女は「特に、そんなかなー。なんでー?」と言った。この「なんでー?」が次の言葉を催促しているかと感じさせた。これは誘いを待ってるのでは?と解釈した。

 

 

「泊まっていかない?」

 

必死な感じを隠した声のトーンかつクールな口調だった。

 

「ごめんなさい」

 

彼女は即答した。帰らなければならない理由を改札まで必死に伝えてくれた。何度もごめんねと言ってくれた。

 

けどそれが辛い。ごめんなさいの一言で決着は着いていたし、気を遣わせてしまったことが辛い。

 

電車を待つ7分間、今日を振り返ってみた。ちょっとした下ネタも足を組んで見えた御御足もカラオケに誘われたのも、全部イケる要素ではなかった。誰と一緒にいてもやることだ。

 

それを全て都合良く解釈した僕はなんと浅かったんだろう。恥ずかしい。

 

カラオケで飲みすぎたジンジャーエールでお腹の膨張感がすごい。早く寝て明日にはスッキリしたい。